ライター熊野雅恵氏:吉野所長インタビュー記事

営業マンを経て税理士・会計士として独立、経営者に重宝がられる存在へ。

ライター熊野雅恵氏からインタビューを受け記事になりましたので、掲載します。

吉野税務会計事務所・代表 吉野晋太郎

「会社員時代に経営者をサポートしたいと決意し会計の道へ」

―法学部卒業後20代はインテリア会社に勤務した後、公認会計士兼税理士となっていますね。なぜそのような経歴を歩んだのでしょうか。

衣食住のどれかに関わる仕事をしたい、特に人間の生活のベースとなる「住」に関わる仕事がしたいという気持ちがあって、業界のリーディングカンパニーと言われていた会社に就職しました。

最初の3年間はゼネコン、設計事務所、工務店、リフォーム会社、ハウスメーカーやクロス職人さんを回って営業しました。1日に電話を100本近く取ってお客様の対応をしたり、見積もりの作成をしたり等もしていました。今振り返るとその3年間で社会人としての対人関係のスキルを叩き込まれた気がします。

その次は購買部門に所属して会社で必要とされている商品の仕入れを担当しました。

営業と違って、商品を売るのではなく買うという立場になり、40代~60代のベテラン営業の方とも関わるようになって、その方々から営業のなんたるかを教えてもらった気がしますね。ビジネスの本質も自分なりに掴めて来ていたような気がします。

―その頃学んだことで今でも大切にしていることがあるそうですね。

そうです。一つはその会社の社是でもあった「頭は低く心は高く」という姿勢。

人生において、仕事において、謙虚な姿勢が必要だけど、気持ちだけは上昇志向にしたい、と今でも大切にしている言葉です。

―その後はマーケティングにも従事したとのことでした。

そうです。購買部の後は経営企画課において、マーケティングの仕事を経験しました。会社の予算編成や売り上げを管理する部署で、財務面で会計の知識も必要となり、少しずつ習得していました。 

そうして財務面の知識を使いつつマーケティングにも従事しているうちに会社の仕組みや全体像が見えて来たのです。

そして徐々に、独立して自分も事務所をやってみたい、また、経営者を会計の側面からサポートする仕事をしてみたい、と思ったのです。

振り返ると会社員時代の経験が今の業務に生きています。頭を下げる仕事の経験がなければ「頭は低く心は高く」の本当の意味は分からなかったと思います。 結局、仕事はハートなのだ、ということが現在の自分の原点になっています。

「会計士業務と税理士業務の両方を手掛けることのメリット」

―吉野税務会計事務所の特色として公認会計士業務と税理士業務の両方を手掛けていることが挙げられます。両方を手掛けることでのメリットはありますか?

公認会計士業務と税理士業務は表と裏のような関係にある、と思うときがあります。

公認会計士の業務の中に、監査という仕事があるのですが、「私は決算書を作らず、経営者が作ったものを独立した立場でチェックする仕事」。

一方、税理士業務の場合の多くは、経営者を代理して「私が決算書を作る。その後、監査や税務署等からチェックされる側になる」なので、税理士として仕事をする時は、公認会計士がどのような点を重要と思うか、指摘のポイントを予め予測しながら財務諸表を作成することが重要になるんです。

会計士は、独立した立場から客観的にまず林を空から見てどの木を見るか決めて、見るべき木の枝や葉を見て行くイメージ。会計士による監査はこれに該当しますね。

税理士は、誰かに見てもらいたいという気持ちを持ちながら、根や幹を作り木の枝や葉を育てて行くイメージ。税理士による帳簿作成や決算書や申告書の作成などの税務代理行為がこれに該当します。

税理士のうち公認会計士としても業務遂行しているのは10人に1人と言われていますが、日常的に両者の業務を行っていることからこそ、会計士業務・税理士業務共に客観性のある質の高いサービスを提供できると考えています。

「会計的な視点からのコンサルは定期訪問での日常会話を大切に」

―経営者様へシグナルを出すことも心掛けているとのことですが具体的にはどのようなことなのでしょうか。

とにかく顧客先の定期訪問を大事にしています。できれば月に1回、最低でも数か月に1回は必ず行って会社の状況をお伝えしています。その時に月次試算表の提出も行うのですが、いいことばかりを言うわけではありません。利益が出ていない場合にはこのままでは借り入れができません、というようなことも申し上げます。マイナスの苦言をするのも大切な仕事だと思っています。

そして、売り上げがこれぐらい増えれば変動費がこれぐらい増えますよ、といったように会計の側面から日常的にコンサルをしています。

その際、経営者様との雑談や日常会話を非常に大切にしています。 例えば会社で車を買った、人を雇った、となれば当然会計の処理にも影響しますし、社会保険の手続も必要になって来ます。会計に必要な知識をすべて伝えてくださる経営者様はいません。よって、会計に必要な事柄を全て把握できるようになるべく日常会話をすることを心掛けているのです。

-経営者様個人としての会計回りもフォローしていると聞きました。

そうです。当事務所は法人と契約をしますがそれは経営者様個人の会計についてもコンサルさせて頂く、ということを意味します。

例えば、家に泥棒が入れば所得税の中の雑損控除の対象となりますし、奥様が入院すれば医療費控除の対象になります。

その際には経営者様個人としての確定申告や年末調整も担当しますので、お子さんの年齢や扶養控除の有無なども知らなくてはなりません。従って、定期的に会って会話することを重視しています。

法人のことだけ頼んでいたつもりが気付けば個人のことも気にしてくれている、と思って頂きたいというのが当事務所のスタイルです。当社の顧問契約=家族契約と考えて頂いて構いません。

「企業の存続にとって不可欠な企業防衛に従事」

―事務所の特色として企業防衛に取り組んでいると聞きました。聞き慣れない言葉ですが説明して頂けますか。

会社で支払う生命保険のアドバイスを行っています。生命保険の募集代理人の資格を持っているので保険代理店業務も行っています。

企業防衛というのは、事故や突然の病気などで倒れた場合に備えて会社のために保険を積み立てておくことを言います。この場合、被保険者は経営者、契約者は会社です。

中小企業の中には社長お一人で営業や重要な判断を担当しているところもあります。そのような状態にあって、例えば社長が事故にあって動けなくなると来月の会社の収益がなくなってしまうこともあり得ます。そうした場合に備えていざという時に会社に保険会社からお金が振り込まれるよう保険を掛けておくのです。もちろん、社長個人の生命保険や医療保険も案内します。

また、事業を畳まなくてはいけなくなった時にはご家族はもちろんのこと会社の従業員の生活を守らなくてはいけないですよね。そのためには会社が経営者様ご本人や従業員に対してある程度の額の給与や退職金を支払わなくてはならないことは当然です。 経営者のご家族を守る、会社を守る、というのが企業防衛のコンセプトです。

―保険を利用した企業防衛を行うにあたって公認会計士兼税理士であるメリットはありますか?

当事務所の場合、経営者様の会計業務全般を担っておりますので、仕入れの額、借り入れの額や従業員の人数から推測して、どれぐらいのお金が必要になるか適正な保険の額がわかります。

従って、必要以上に多くの保険料を設定はしません。私は本業はあくまで会計事務所なので、営業マンとしてのノルマもありません。また、生命保険会社には異動があるので永続してお客様の業務を担当することはできませんが、当事務所の場合は異動がないのでずっとお客様に寄り添うことができます。例えば、35年積み立て型の保険を利用して頂いた場合、35年先に退職金と保険料収入を相殺させなくてはなりませんが、そうした場合にも事情を熟知した上で対応できます。 不測の事態が起きた時にどれくらいのお金がいるかだけではなく、後継者の有無なども考慮し、会社の状態をすべて把握した上でアドバイスしています

「スタートアップをあらゆる角度から支援」

―スタートアップの支援も熱心に行っているそうですね。

そうです。個人事業主の段階からお付き合いさせて頂いている場合には「信用を高めたいので法人成りしたい」というご要望にもお応えしています。

企業のスタートアップ時には会社の設立、労務関係の整備、各種の許認可が必要なことはもちろん、法律的なアドバイスが欲しい場合などもあり得ますが、ご要望に応じて、弁護士、司法書士、社会保険労務士、行政書士と連携しておりますので、ワンストップでご要望に応えることができます。

なお、報酬についてはスタートアップ時にはレベニューフィー(売り上げに応じて報酬を支払う制度)にすることもできますので、初期費用が少なくてすむことも当事務所の特徴です。

「報酬は信頼関係を損なわないよう市場価格を意識して設定」

―報酬はどのように決めていますか?

報酬については、サービスの項目ごとに報酬を設定しています。 税理士会の税理士と情報共有もして、市場価格とはかけ離れないようにしています。継続的な信頼関係が大切な顧問契約なので高過ぎず安過ぎず、市場価格に準じるのは大切だと思っているからです。

「必要に応じて会計ソフトの利用も可能」

―経営状況の把握を目的とした会計ソフトの導入も推奨していると聞きました。

そうなのです。日々の会計処理と共に給与計算も社会保険料も源泉所得税も自動計算できるソフトがありそのソフトを導入して頂くことも可能です。

バージョンアップも自動的にやってくれますし、ウィルスソフトもあるので安心してお使い頂けます。

当事務所はご自分で会社の業績を適時に把握して頂くために領収書の入力等をご自分で行う「会計の自計化」を推奨しています。

しかしながら、人員が足りない会社があることも予想されますので、スタッフの皆様が本来の業務に集中できるようご依頼があれば記帳代行も行っております。

会社の需要はさまざまですが、当事務所は個人事務所なのでお客様の状況に合わせたサービスの提供を行っております。

「チーム制であらゆる業務に対応」

―複数人の人員が必要な業務についてはどのように対応しているのでしょうか。

公認会計士は独立業ですが。独立した公認会計士が集まってチームを組み役割分担をした上で会計業務に取り組む、ということはあります。

例えば、社会福祉法人がケアセンターや老人ホーム、病院を運営している場合には複数の会計士と共に監査業務を行っています。

従って、複数人の人手が必要な業務であっても対応可能です。

「平易な表現での説明を重視」

―お客様と接する上で気を付けていることはありますか。

あります。なるべく専門用語を使わずに会計上の事柄を説明する、ということです。

例えば、減価償却とは「設備投資に要した取得原価を耐用年数で割って配分すること」を指しますが、会計に素養のない方にとってはすぐにはイメージできない言葉だと思います。

よって、減価償却費については「500万円の車を買った場合、その年に500万円の経費が掛かったとするのではなく、100万円ずつ5年間の経費にして計上する」と説明します。

本来の定義に従えば「耐用年数が5年なので5年で償却する」という表現もできますがそれでは何のことかわからないですよね。「償却」という専門用語ではなく、「経費」のようなわかりやすい言葉を使って説明することを心掛けています。

また、説明することで会計に興味を持ってくださるので、なるべく丁寧に説明することも心掛けています。

「会計業務に必要なのは緊密で迅速なコミュニケーション」

―連絡手段にメールや電話の他にLINEを導入していることも特徴的ですね。

そうです。お客様の中には他の会計事務所に業務を依頼していた時には連絡しても返事がない、質問しても回答がない、という声がありました。

当事務所は、会計業務は処理能力がすべてであると考えています。お客様も「聞いたら直ぐに答えてくれる」という期待があると思いますし、自分としても仕事が溜まっていく状態は避けたいと考えています。

そこで既読か否かがすぐにわかるLINEを利用し、お客様とは緊密で迅速なコミュニケーションを取ることを心掛け最良のサービスを提供するようにしています。

当事務所はお客様の課題や疑問を即座に解決でき、常にお客様に寄り添う存在でありたいと考えています。

以上

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